日本人ってすごい! その2 正しい鰹節のつくりかた(2)

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さて、茹で上がったカツオは、風通しのよい場所におかれ、まず自然の風で冷まされます。約1時間かけてゆっくり冷ますのですが、その間に身が引き締まっていきます。冷めたら1本ずつチェックしながら、残っていた小骨、皮、ウロコ、皮下脂肪、汚れなど余計なものを丁寧に取り除いていきます。そうしてできあがったのが「なまり節」です。この段階での水分含有率は70%弱で、鮮魚を少し乾燥させた程度の水分を含んでいます。
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薪は大量に使用します。
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鰹節の製造工程は、水分を取り除いてゆく工程だと言っても過言ではありません。そうすることで旨味を凝縮すると同時に腐敗しにくくするのです。煮上がった節は次に焙乾の工程に進みます。弊社ではまず乾燥炉で水分を粗方取り、その後3階建ての焙乾炉で、おおよそ3週間という時間をかけて焙乾します。焙乾炉では、1層目は火床で、ナラ、カシ、クヌギといった堅い薪で火山をつくり、2層目、3層目の上層に節を並べ火山からの煙と熱気で焙り乾すわけです。最初は火に近いところから、位置を変えながら徐々に火から遠ざけていきます。
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乾燥炉の外観、内部です。
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火床/焙乾炉の最下層です。
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2層目。節が整然と並べられ、焙乾されていきます。
長時間の焙乾が終わると、節の表面は燻煙に含まれる成分で褐色になります。この段階を「荒節」といいます。残っている水分は20%〜25%程度にまで落ちます。この状態で出荷するものは20%程度、さらに枯れ節に仕上げるものはカビがつきやすくするために25%程度を維持します。焙乾を終えた節は、再度チェック、選別されます。そうしていよいよカビつけの工程に入るのです。生割りから数えて3週間以上。しかし先はまだまだ長いのです。
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ところで、「なぜわざわざカビを?」と疑問に思われる方も多いことでしょう。このカビは特に質の良いものを意図的に発生させます。節の表面についたカビは、節に含まれる脂肪分を減少させ肉質をよくし、また表面に密生させることで、質の悪いカビの発生を防ぎ、枯れ節特有の香りと旨味をつくりだします。
では、次回はカビつけの工程を見てみましょうー続く

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